静岡市葵区両替町一丁目に位置する「不去来庵」は、仙洞御所伝来の阿弥陀如来坐像を本尊とする、通称「伊伝」の名で知られた渡邉家の持仏堂です。第二次世界大戦において焼失の激しかった静岡市中心部にありながら戦火を逃れ、明治・大正の粋を究める建造物として、国の登録文化財の指定を受けました。本堂には数々の意匠が施され、特に正面の左右扉にある漆喰鏝絵の金剛力士像は、静岡を代表する左官職人の森田鶴(かく)堂(どう)の手によるものです。
不去来庵では春と秋の施餓鬼会と、親族が集まって毎月追善供養を行っております。