文化財を未来に伝える 一般財団法人伊豆屋伝八文化振興財団

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不去来庵
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登録文化財 不去来庵について

「伊伝」の名で知られる渡邉家は「伊豆屋」を屋号とし、代々「伊豆屋伝八」を継承し、先祖は伊豆松崎の出と伝えられ、江戸時代中期より静岡に移り住み、呉服商・両替商を営んでおりました。五代目の林八と六代目の直道はとりわけ敬虔な仏教徒で、福田行誡上人よりそれぞれ「実道居士」、「巍山居士」の法号を受け、種々の縁と功績によって光格天皇の御念持仏であり、その後福田行誡上人に伝えられた阿弥陀如来坐像を贈られることとなりました。「不去来庵」はその阿弥陀如来坐像を祀るために、渡邉家の屋敷内に持仏堂として建立されたものです。

 明治30年から大正4年にかけて三代に亙って築いたお堂は、間口四間半・奥行五間半の土蔵造り、屋根は三州瓦葺きの寄棟造りで、昭和15年の大火や第二次世界大戦による戦火からも焼失を免れ、建立当時の面影をそのまま今に残し、平成12年12月4日に明治・大正時代の技術の粋を究めた建造物として、国の登録文化財の指定を受けました。

 建立時の総監督的存在であった福田行誡上人の高弟、福田循誘上人直筆による細部に亙る建築指示書、模写、手紙の類がほぼ完全な形で保管されております。

 又、不去来庵を彩る数々の意匠の中で、本堂正面の左右扉にある漆喰鏝絵の金剛力士像は、静岡を代表する左官職人の森田鶴堂の手によるものです。

 全国的にも珍しい例として、向拝唐破風の屋根に据えられた頂部を特徴付ける獅子口形式の鬼瓦の3本の「経の巻」には、下絵に書かれていたとおりに経巻が納められていることが、平成14年の調査で確認されております。


不去来庵案内図

案内図




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